IT大生、洋楽和訳とプログラミング

これからのIT時代を生き抜くブログ。

本「16歳からのはじめてのゲーム理論」

はじめに」を読むと、筆者の「内容は難しいけど、できるだけ分かりやすく書いたよ」というメッセージが綴られていて、これは期待できるぞ、と思いました。

登場人物がネズミの親子と、人間たちという新しい設定。ストーリーもなかなか続きがきになる内容で面白いです。



第1章
ここで描かれているのは「全会一致は本当に慎重な投票法なのか」ということです。
多数決と違って、「全会一致」は「みんながYES」と答えなければ成立しません。これにより、「自分の判断で判定を覆したくない」という理由で「NOをYES」と言ってしまう人が出てくる可能性があります。これが「戦略的思考」というものです。
つまり、他に反対する人がいれば、その人が反対といえばどうせ反対になるのだから賛成でいいやと考えるわけです。
しかし、この考え方は他の人が全員自分の意見を投票に反映することが前提ですよね。すなわち、「他の人に委ねればいい」という自分が決断したことさえ実際には反映されていないとも取れるわけです。
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あくまで可能性ですよ。絶対こうだろうと言っているわけではありません。
ですから、全会一致が必ずしも「全員の同意を尊重している」ことになるかというとそうではないわけです。面白いですね。

このように、「人はどのような考えのプロセスで、その行動に至った」かを読み解くゲーム理論を物語にのせて分かりやすく解説しています。おすすめの1冊です。